みなさんおはこんばんにちは。「お珠」と申します。
会社員として働きながら無事合格しました。
お珠さんよろしくお願いします!
お珠さんのプロフィール
電気・電子機器関係の製造業で生産管理に関する仕事をしています。
工場の間接部門と直接部門の間に入り橋渡しするようなイメージの仕事です。
場合によっては工場で作業したり、購買業務をしたり、営業の手伝いをしたりと、どうしても長時間勤務になりがちな仕事をしています。まぁうちの会社特有の問題かもしれませんけどね…
司法書士とは全然関係ない仕事をされているんですね!
司法書士を選ぶきっかけなどあったのですか?
長時間労働のわりに賃金も高くなく、やりがいがある仕事でもないのでいっそ「何かいい資格でも取って辞めようかなぁ」と思いつき、目に飛び込んだのが“司法書士”という資格でした。
職種的に理系のようなお仕事なのかなと思うのですが、法律の勉強は始めてですか?
法律の勉強は平成28年に“宅建”試験に合格した際に学習していたため、「難しそうだけどいけそう」と思い、挑戦してみることになった次第です。私は圧倒的に理系寄りなので「いやいや無理でしょ」っていう不安もありましたが…。2019年のゴールデンウィークから勉強をスタートし、そこから4年後、無事合格に至りました。
本年度司法書士試験成績
午前択一 30/35
午後択一 30/35
記述 不 25.5
記述 商 15.0
計220.5点/280点 合格点211.0点
合格した年の使用講座・教材
・リアリスティックシリーズのテキスト
・パーフェクト過去問集シリーズ(TAC)
・ケータイ司法書士(Ⅰ~Ⅳ)
・1月答練パック・解説講義あり(TAC講座)
リアリスティックシリーズのテキスト
教材については、とにかく可処分時間が少ないため、コンパクトにまとまっているリアリスティックシリーズをメインテキストとして使用しました。
リアリスティックを使ってよかった点はどこですか?
とにかくコンパクトで十分な勉強時間を確保できなくてもスムーズに読み進めることができます。
そして、各知識について理由付けがされているため、”なぜそのような手続きが必要なの?”といった疑問が生じにくくなっています。そしてなにより、理由付けがされているから知識が頭に入りやすいんですよね。
逆にここは使いづらかったなということがあれば教えてください。
イマイチだった点ですが、個人的に図表はあまりわかりやすいとは言えません。個人差があると思うのでこれは一度手に取って見ていただいたほうが分かるかなと。
次に過去問番号がついていないため、この知識が既出なのか未出なのかテキスト上で判断が困難な点です。昨年までは過去問番号が付いたテキストを使用していたため、過去問集を索引のように使うこともできました。リアリスティックに変更してからは、過去問集の使い方については若干の変更を迫られました。
・コンパクトにまとまっていて読みやすい
・知識について理由が書かれているため理解しやすい
・図表がやや分かりにくい
・過去問番号の記載が一切ない
パーフェクト過去問集シリーズ
可処分時間が少なくても過去問集は厳選過去問集ではなく、フルサイズを選んだんですね
司法書士試験ではどの過去問知識が問われてもおかしくなく、過去問だけは完璧に仕上げるために全部入りのものを選択しました。
ケータイ司法書士
リアリスティックに加えてケータイ司法書士を選んだ理由はどうしてですか?
スキマ時間でサクッと勉強できるように導入しました。
一問一答方式の問題集で、スキマ時間に使用するにはピッタリな教材なんです!
基本的に全受験生にとってマストアイテムと考えていいと思います(と言っている割に最終年に初めて導入したんですけどね)。
TACの答練・模試について
答練については、専ら記述式対策として利用しました。日曜日はよほどのことがない限り必ず会社が休みなので、毎週日曜日は答練曜日としていました。
私はTACの答練を受けていました。
TACの答練を選んで良かった点はどこですか?
答案をTACに提出した場合、択一の正答率が高い問題(基礎知識)を落としてしまった場合に、その旨が成績表に載る点よかったです。
基礎知識を失点するということはその論点について勉強不足であると考えられますので、勉強の計画に組み込みやすいです。そのためだけに成績表を提出する価値は大いにあると考えます。
TACと言えば姫野先生の記述の評判が良いと聞きますが、どうでしたか?
TAC以外の答練模試を一切受講したことがないため、他社との比較はできないのですが、姫野先生の解説講義が記述対策として十分すぎるほど充実していました。
試験に必要な解法をすべて教えてくれます。
私が答練を取っていたのはこの解説講義が目的でした。
今年の本試験の記述式で基準点+10点をとれたのもこの解説講義のおかげと言っていいくらいです。
TAC以外の答練模試を一切受講したことがないため、他社との比較はできないのですが、TACの答練・模試を受講される方は、解説講義ありを申し込むことを強くお勧めします。
逆にここは注意した方が良い点などあれば教えてください。
細かい知識を問われるため、インプットとして使うにはイマイチな点です。問題の解き方(いわゆる解法)のシミュレーションとしては十分ですので、このあたりは好みですかね。
そして最もイマイチな点としては講座の費用ですかね。他社と比べて高価ですね。
・正答率の高い問題を失点した場合、成績表にて”警告マーク”で教えてくれる
・解説講義が記述式対策として十分すぎる
・択一対策のうち、知識習得面としてはイマイチ
・講座の費用が高い
1年目から3年目の受験を振り返って
今年について話す前に1年目から3年目までについて簡単に振り返りたいと思います。
1年目(2020年度)
1年目はTACの基礎講座を取りましたが、不動産登記法の半分くらいまでしか消化できず、過去問にもほとんど手を付けられず、午前12、午後5というトンデモ成績で帰ってきました。
なにより、次年度以降から試験範囲の大半を独学でインプットする羽目になってしまい、勉強が長期化してしまったのも明らかにこの年が原因でした。
2年目(2021年度)
2年目は前年の反省を生かし、TACの答練のみを取りました。
この年から過去問の使い方を変更し、解くツールではなく読むツールとして使用することにしました。
そして過去問知識なのに知らなかったものについてはテキストに線を引く等の印をつけるようにしました。
しかしながら2020年度本試験は9月下旬に行われたので2021年度までの期間が短くなり、勉強時間が明らかに不足したため、午前の部の択一が基準点未満となりました。
3年目(2022年度)
3年目はTACの答練と新たにスタディング を導入しました。丸1年あるから消化できるだろうと甘く見ていましたが、スタディングの講義は民法しか消化できないまま答練が始まってしまい、スタディング進行不能となってしまいました.
基本的な勉強方法は2021年度と同じですが、この年からスキマ時間の有効活用を考え、スタディングの”要点暗記ツール”を利用しました。
択一・記述ともに基準点を超えたものの、合格点に足りず総合落ちとなりました。
気になったのが、スタディング を3年目で導入した理由はどうしてですか?
基礎知識が弱いのが分かっていたので、良い基礎講座ないのかなーと思っていたところ、当時ツイッターで勧められてスタディング を導入しました。
答練始まる前は順調に進んでたんですが、答練始まると答練の予習を優先してしまい、講座を利用するための時間が足りなくなって受講を諦めた感じです。
失敗したなーって思ったのは、むしろ答練じゃなくてスタディングを優先して消化すべきだったなーってとこですかね。2022年度はAランク知識の失点が多かったので。
スタディングを優先して進めれば良かったとのことですが、スタディング自体は悪くなかった感じですか?
択一対策としては十分合格できるレベルだと思いますね。
まぁちょくちょく誤植があったのでそこは注意が必要かもしれません。 記述なしのコースを申込みしたので、記述についてはすみませんが分かりません。
そうなんですね。スタディングを続けて使わなかった理由はやはり講座消化は時間が掛かるからですか?
2023はメインテキストをリアリに変更したので、基礎知識はまかなえると思いスタディングは不要と判断しました。
あとスタディングすら消化できないんだからインプットは独学じゃないと時間が足りないとの判断もありますね。
そして講座費用もかかりますので。
合格できるレベルなら、可処分時間ある人にとってはスタディングはコスパが良さそうですね!
基礎知識はほぼ網羅されている印象だったので、ブラック企業勤めじゃない限り会社員にお勧めできますね。
ぶっちゃけ初年度にスタディング 取ってれば2年くらいで受かってた気がしてます。
まじすか、スタディングの択一講座良さそうですね
4年目の合格年の勉強スケジュールについて
とにかく可処分時間が短いため、1週間分のスケジュールを1分で組み、そのスケジュール通りに勉強するという繰り返しでした。
勉強する論点はスケジュール帳に書いていきます。
出社日の平均勉強時間は1.5時間ほど、休日は5時間(直前期は7時間)が平均勉強時間でした。
ただし、日曜日だけはほとんど出社にならないため、答練・模試は必ず日曜日のスケジュールにぶち込みます。
年間休日数は約90日、朝7時には出社、帰りは夜20時頃(月の残業約80時間)になるような環境なので、とにかく”2時間でやることを1.5時間でやる”というようなコンセプトをもって勉強していました。
休日の勉強時間については、この試験では1日10時間以上勉強するのが普通な感じですが、私は体調管理やメンタル面を重視してやりすぎないことを意識していました。
仕事もあるので勉強しすぎて体調を崩してしまったら勉強も仕事もできなくなりますから。
昼休み時間や外回りに出たときはスキマ時間用の勉強をしていました。その際はケータイ司法書士が大活躍してくれました。特に昼休みは会社員にとって貴重な勉強時間になります。
合格年の勉強方法について
可処分時間を考え、4年目からテキストをTACのものからリアリスティックに変更し、さらに受講する答練を減らしました。
さらにスタディング の代わりとしてケータイ司法書士を導入しました。
直前期に入る前(3月中旬まで)の勉強方法
過去問を中心に勉強していました。
過去問で知らない知識があれば、テキストに印をつけるという作業をひたすら繰り返します。
平日は過去問集は概ね10〜15問くらい、テキストは科目によるんですが、だいたい平均30ページくらい進めてました。
ただ、会社法だけは10ページくらいしか進まない日もありました。
過去問を見る→テキストを見る→過去問に戻る→再びテキストを見るの繰り返しです。
これを論点ごとに繰り返します。
テキストは過去問を見た論点を振り返るようなイメージで見ていました。
何度も間違える論点はもうドストレートに「苦手」ってテキストに書きました。
知っている知識であっても抜けることはあるので、過去問集に載っている問題は必ず全肢確認します。
あと、過去問集は読み物として使っていましたので、過去問演習というのはあまりしていません。
私は過去問集に載っている過去問を「解く」という作業をあまりしなかったので、それが上手く行ったんじゃないかなと勝手に思ってます。
やっぱり解く作業をするとそれだけで覚えた気になってしまうし、解く作業をするにもそれなりに時間がかかるので。
ただ、過去問集で問題を解かないとなると、フルサイズの問題をアウトプットする際は答練などで行う必要は出てきますね。
あくまで知らない知識やあいまいな知識を探すためのツールにすぎません。
そして勉強する論点についてはスケジュール帳にのっとって進めていました。
スケジュール帳に入れる論点は、TACの「科目別全潰し答練」に合わせるように入れます。
科目別全潰し答練はパンフレットに各回の出題論点が載っているため、その回の出題論点を対策するようなスケジュールを組んでいました。
例えば、第1回の出題論点が”民法総則”と”物権編”のみとすると、民法総則と物権編だけをスケジュールに入れるイメージです。
そして第2回が”担保物権”であれば担保物権だけをスケジュールに入れます。仮に前回の民法総則と物権編を消化できなくても、です。
そもそも多くて1日1.5時間くらいしか勉強できないんだから消化できないのなんて当たり前で、その対策もしっかり取っています。その対策というのは直前期の勉強方法で話します。
直前期(3月下旬から本試験前日まで)の勉強方法
やること自体は上の直前期に入る前までと変わりません。過去問の使い方も同じです。
じゃあ何が違うんだよ!(`・ω・´)というと、スケジュールの組み方が変わります。
スケジュール帳に入れる論点は、直前期に入る前に「科目別全潰し答練」で正答率が高いにも関わらず落としてしまった論点と、「総合力底上げ答練」や「全国公開模試」で出題される論点です。
組み方は上の直前期に入る前と同様です。パンフレットに出題範囲が載っているのでそれに合わせて組みます。
また、直前期にテキストは常に全科目回し続けていたので、その際に印をつけたところを確認していました。
そしてテキストは直前期だけで3周くらいはできるようにスケジュール組むので、その周回の都度復習していました。
記述式の勉強方法について
記述式の勉強方法は、実は4年間ほとんど変わっていません。
やり方としては過去問・答練・模試で間違ったことを間違いノートに羅列していきました。
毎週日曜日に受けていた答練・模試の解説講義視聴後すぐに間違いノートの作成をしました。
たとえば、“印鑑証明書の通数間違い”とか”登記識別情報つけ間違い”とか書いていき、自分が間違えたことを「見える化」していました。そしてスキマ時間に目を通すようにしていました。
実はケータイ司法書士と一緒に間違いノートも常に携帯していました。
勉強に関してのメンタルについて
この試験の勉強中は何度も投げ出したくなります。実際私は5~6回は投げ出しました。
2023年度にいたっては6月中旬の超直前期に投げ出しました。
勉強のスランプ時期もありましたか?
スランプも怖いですね。覚えている中で印象的なものだと2021年度向けでの1~3月あたりまで3か月間も強烈なスランプに襲われました。無理して勉強しようとしたのが原因でした。勉強どころか日常生活をすることすらやる気が低下したこともありました。
勉強中の気分転換などについてはどう思いますか?
ネトフリも見ていいし、YouTubeも見ていいし、デートしてもいいし、ゲームもしていいと思います(ただしやりすぎは注意)。自分の楽しみは残しておくのがいいと思います。
・無理して勉強しないことを重視
・自分の趣味まで潰さない
最後に
司法書士試験は難関試験だとか言われますが、どのような環境であっても勉強ができる限り努力をすれば必ず受かります。
”司法書士試験は才能なんてなくても受かります”
私みたいな凡人でもいろいろと工夫して合格できました。
乱雑な内容となりましたが、この体験記の中で質問等あれば、Xのお珠までリプやDMいただければ答えいたします。
お珠さんありがとうございました!